記者ログ(2/2):マリーシア | 河北新報オンラインニュース / ONLINE NEWS

 接戦の終盤、チームの輪に相手選手が1人交じっていた。

 1月23日にあったバスケットボール男子、B2のFE名古屋―仙台戦。1点を追う仙台は相手のフリースローの時間を使って、藤田弘輝監督が選手を集めた。バスケの試合ではよく見られる光景で、1試合で計5度請求できるタイムアウトを消化せずに、戦術の確認などを選手に伝達できる。

 この場面で、虚を突くかのように仙台ベンチに近寄ったのが、名古屋の石川海斗(宮城・明成高―日大出)。タイムアウトでないため、自軍ベンチ付近に戻る義務はない。2016~18年に在籍した仙台でも、頭の回転が速く、相手の嫌がるプレーに定評があった。

 同じ団体球技のサッカーには、ポルトガル語でずる賢さを意味する「マリーシア」という言葉がある。勝利への欲が凝縮されていた石川の立ち居振る舞い。名古屋が首位を独走しているのもうなずける。(スポーツ部・剣持雄治)

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