9月ごろ開設 中京圏から企業誘致、観光誘客
2021年4月2日 午後5時00分
JR名古屋駅周辺=2020年9月、愛知県名古屋市
福井県は、名古屋事務所(愛知県名古屋市)を9月ごろに開設する。2004年3月に閉鎖しており、17年ぶりの復活となる。岐阜県北部につながる中部縦貫自動車道大野油坂道路の全線開通などを見据え、企業誘致やU・Iターン、観光誘客の拡大を目指す。開設準備に当たるため、4月1日付で名古屋駐在職員2人を配置した。
20年6月に京都事務所を設けており、2年連続の県外拠点開設となる。県外事務所は東京、大阪を含め計4カ所目。
大野油坂道路の大野-和泉間は22年度に開通見込みで、残る和泉-油坂間についても県は早期開通を国に求めている。同様に早期開通を要望している国道417号冠山峠道路が整備されれば、岐阜県揖斐川町と福井県池田町が1時間25分で結ばれ、北陸自動車道経由より50分短縮される。
さらに、26年度には東海環状自動車道の全線開通が予定されるほか、リニア中央新幹線も27年の名古屋開業を目指しており、中京圏に人やモノがより集まることが見込まれる。福井県未来戦略課は「本県にとっても観光、ビジネス拡大の好機。中京圏との時間距離が短縮する機会を捉え、営業活動を強化したい」としている。
事務所はJR名古屋駅周辺のシェアオフィスに構える予定で、初期コストを抑える。2021年度の当初予算に関連経費800万円を計上した。
以前の名古屋事務所は1963年度に開設したが、行財政改革の一環で2003年度末に閉じた。