細見研介・ファミリーマート社長インタビュー
2022.1.8 5:20
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Photo by Kazutoshi Sumitomo
新型コロナ禍はコンビニエンスストア業界の退潮を鮮明にした。そのさなかの2021年に伊藤忠商事からファミリーマートのトップに登板したのが細見研介社長だ。特集『総予測2022』の本稿では、伊藤忠の「大エース」とも評された細見氏に反転攻勢策を聞いた。(聞き手/ダイヤモンド編集部編集委員 名古屋和希)
「勝ち癖」付き始めた
人手不足が再び顕在化も
――2021年もコンビニエンスストア業界は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けました。
20年に比べれば、平均日販(1日当たり店舗平均売上高)も戻り、かなり回復した1年でした。21年は創業40周年だったことが大きかったです。商品とマーケティング、営業の連携が良く、さまざまな施策を矢継ぎ早に打ち出せました。
ヒット商品もあり、「勝ち癖」が付き始めたと感じます。例えば、クリスピーチキンやスイーツのバタービスケットサンドは空前の売り上げを記録しました。異色の商品としては、コンビニエンスウェアです。靴下は50万足とめちゃくちゃ売れました。
靴下が売れたのは時代背景にマッチしたためでしょう。消費者には、外出できないけどおしゃれはしたいという気持ちがあったはずです。そんなとき、近所のコンビニに品質も良くかわいい商品を見つけたということなのだと思います。
このコロナ禍の2年間で消費者の購買行動は目覚ましく変わっています。次にどんなものが受け入れられるかを常にくみ取っていかないといけません。
――22年はどのような経営課題に直面するとみていますか。
コロナ禍のインパクトは過去2年に比べて縮小していくとみています。一方、原油価格が上昇し、円安などを背景にした原材料価格も跳ね上がっています。これらが消費の回復に水を差し、消費者のライフスタイルがより控えめになることを懸念しています。
人手不足の問題も再び顕在化するでしょう。コロナ禍でコンビニは外食業界から働き手を確保できました。しかし、この問題が解消されたわけではありません。最低賃金の上昇も続くでしょうし、経営に大きな影響を与えます。
人手不足の解決にはあらゆる努力を注ぐ必要があります。自社では、無人決済やロボットの導入などに積極的に取り組みます。加えて、柔軟に外国人が働ける環境も整備してもらうよう、業界で政府に働き掛けていくことも重要です。
――コンビニビジネスは「曲がり角」を迎えたと指摘されます。
ファミマ社長が繰り出す反転攻勢の「切り札」とは?
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